【7月15日 AFP】大きいフォークで食べると食べ過ぎを防止できるとする論文が、14日発行の米学術誌「Journal of Consumer Research」に発表された。

 研究者のアルル・ミシュラ(Arul Mishra)、ヒマンシュ・ミシュラ(Himanshu Mishra)、タマラ・マスターズ(Tamara Masters)の3氏は、一口サイズの大きさが食べる量にどのように影響するかを調べるため、米南西部の人気のイタリアンレストランで実験を行った。

 レストランで通常使用されているフォークより20%多めに刺すことができる大きいフォークと、通常のフォークより20%少なめにしか刺すことができない小さいフォークの2セットを用意し、ランチとディナー各2回、片方のテーブルに大きいフォークを、もう片方のテーブルに小さいフォークをそれぞれセッティングした。研究者1人を含めた給仕係は、客の注文を受けたあと、食事を盛った大皿の重さを計り、客が食べ終わるとキッチンにさげた大皿の重さを再度計った。

 その結果、大きいフォークを使った人が食べた量は、小さいフォークを使った人よりも少なかった。

■「空腹を満たす」という目的があってこそ

 ところで、この理論はレストランだけに当てはまることが分かった。研究所でもイタリア料理を使って同様の実験を行ったが、こちらでは大きいフォークを使った人の方で食事量が多かったのだ。

 論文は、レストランと研究所では、動機が異なるためと説明している。研究所では、実験に参加するという主旨で参加者が集められた。一方で、レストランに行く客は「空腹を満たすという明確な目標を持っており、それだけに目標達成のための努力をし、機転を利かせる用意がある」という。そんななか、小さいフォークは「目的達成へ大きく前進していない」という気持ちを抱かせ、結果的に大きいフォークの場合よりもたくさん食べてしまうという。

 論文は次のように締めくくっている。「おばあちゃん世代は、満腹感を得るために、一口の量を少なめに、よくかんで食べなさいとアドバイスしてきた。日々忙しく、レストランで食べる頻度が高くなってきた現代、よくかんで食べる時間がない場合は大きめのフォークを使うことが食べ過ぎ防止に効果的と思われる」(c)AFP