【7月17日 AFP】パキスタンの保健当局は16日、北西辺境州(North West Frontier Province)のスワト(Swat)渓谷に住む生後7か月の女の子からポリオウイルスが検出されたと発表した。親タリバン(Taliban)の聖職者が率いる武装勢力の拠点となっている同地域は不安定な情勢が続き、定期的な予防接種ができない状況にある。

 同地域では前年10月以降、武装勢力と政府軍がたびたび衝突しており、保健当局のポリオ予防チームが近づけない状態が続いている。スワト渓谷では、そうした理由で予防接種を受けられない子どもが11万人いる。

 保健当局によると、同国で今年確認されたポリオは16件で、うち4件は北西辺境州で発生したという。

 政府は今年5月、武装勢力側と和平協定を結び、武装勢力側は当局のポリオ、はしか、結核の予防活動を妨害しないことに同意している。その一方で、治安上の懸念から地元の保健担当者が予防接種の実施を拒否しているとの証言もある。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は、ナイジェリア、インド、パキスタン、アフガニスタンの4か国をポリオ発生国として報告している。(c)AFP