【2月18日 AFP】米ワシントン大学(University of Washington)医学部の研究チームが、知能発育不全、てんかん、顔や手の奇形などの原因となる遺伝子異常を特定したとする研究結果を、17日の医学雑誌に発表した。

 DNAコードのわずかな欠損に由来するこうした症候群は、原因不明の知能発育不全の330例中1例の割合で見られ、4万人に1人の確率で発症するという。

 Evan Eichler教授率いるチームは、知能発育不全が見られる757人のゲノムを分析。極めて類似した症状がある2人の被験者を比較したところ、第15染色体の6個の遺伝子で150万ペアの遺伝子コードが欠損していることが判明した。

 6個の遺伝子うちの1つ、CHRNA7は、脳細胞間の伝達物質であるタンパク質を含み、てんかんや統合失調症とも関連しているとされる。

 チームは、知能発育不全が見られる別の1040人(欧州系米国人とアフリカ系米国人が半々)を調査。同一の欠損は7人に見られ、症状も似通っていた。

 また、両調査で同一の欠損があると判明した計9人全員に、顔面奇形が見られたほか、7人にはてんかんや関節の変形、脳の電気的活動の異常が見られた。

 チームは、知能発育不全に関連する別の症状についても、ヒトゲノムのごく微少な欠損部分の分析で、解明されていくだろうとしている。(c)AFP