【8月14日 AFP】英国のストリートアーティスト、バンクシー(Banksy)が米ハリウッド(Hollywood)のガソリンスタンドの壁に描いた落書きアートが、今年12月5日に米ビバリーヒルズ(Beverly Hills)で競売にかけられる。

 13日の米競売会社ジュリアンズ・オークション(Julien's Auctions)の発表によると、米国で同作家のストリートアートが競売にかけられるのは初めて。

 出品される作品「フラワーガール(Flower Girl)」(2008年)は、図柄を切り抜いた型(ステンシル)の上から白い壁に黒いスプレーを吹き付けて描いた「ステンシルアート」で、大きさは2.7メートル×2.4メートル。巨大に育った植物の前に少女がバスケットを持って立っているが、植物の花の部分はネズミの尾がついた監視カメラに置き換わっている。

 英イングランド(England)南西部ブリストル(Bristol)を拠点に活動するバンクシーは、これまでかたくなに素性を隠しているが、世界的に有名なそのアートは、英国やロサンゼルスのストリートから、ハリケーン・カトリーナ(Hurricane Katrina)被災後のニューオーリンズ(New Orleans)、イスラエルとパレスチナ自治区を隔てるヨルダン川西岸(West Bank)の分離壁まで、あらゆる街の壁に描かれている。

 物議を醸すことの多いバンクシーの作品はユーモアと破壊性を共存させつつ、大衆監視や現代社会における政府の役割といった強いテーマを掲げ、政府という存在に対する同作家の批判を反映したものが多い。(c)AFP