【1月29日 AFP】イタリアとオーストリア国境付近のアルプス(Alps)山脈氷河で1991年に発見された約5000年前の男性ミイラ「エッツィー(Oetzi)」(通称:アイスマン)が、死亡直前の数日間に1回ではなく「2回」襲撃されていたかもしれないとの研究が、28日に発表された。

 死亡時の推定年齢46歳のアイスマンは、背中を矢で射られたあと鈍器で殴られていたことが明らかになっているが、ドイツ・ミュンヘン大学(LMU University)とイタリア・ボルツァーノ(Bolzano)の病理学研究所の科学者らは、矢を射られたあと数分間から数時間生きていた可能性があるとみている。また、この事件の数日前に、手に深い傷を負っていたことも明らかになったという。

 研究を指揮したAndreas Nerlich教授は、「アイスマンは死の直前の数日間に少なくとも2回負傷したことは明白だ。2度にわたり襲撃された可能性がある」としている。

 また、今回の研究では、合わせて発見された道具などから当時の人びとの暮らしを知る重要な手掛かりも得られている。例えば、彼が使用していた銅製の斧(おの)は、当時の金属加工術が考えられていたよりもはるかに進んでいたことを物語っているという。(c)AFP