【8月26日 AFP】米航空宇宙局(NASA)のスピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)が撮影した、W5と呼ばれる領域の赤外線画像を分析した結果、誘発的星形成理論を裏付ける有力な証拠が得られた。

 W5は地球から約6500光年離れたカシオペア座にある領域。オリオン座やりゅうこつ座の星形成領域に見られるような大規模な空洞がある。この空洞は、領域内の複数の大質量星から吹く恒星風で発生したものだ。誘発的星形成理論では、風が空洞を形成する過程で、空洞の縁にそってガスや光が圧縮されて、新たな世代の星が誕生するとされていた。

 画像を分析した専門家は、中心部の空洞から遠ざかるに従い、星が若い世代のものになっていると指摘する。中央にある2つの空洞内で青く光る点はこの領域で最も古い星。空洞の周囲に並んでいるのが新しい星で、一部はゾウの鼻のような柱状部分の先端に点在している。複雑に入り組んだ白っぽく見える部分は、最も新しい星が形成されている領域だ。(c)AFP