【1月18日 AFP】インターネットセキュリティーの専門家らが17日、Koobfaceと呼ばれるコンピューターウイルスを流布したロシア人5人の身元を突き止めたと発表した。同ウイルスは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフェイスブック(Facebook)などで増殖した。

 一方、フェイスブックは、自社のセキュリティー担当チームが、Koobfaceのボットネットを管理していたとされるサーバーコンピューターの「駆除」に成功していると述べた。ボットネットとは、ウイルス感染したPC群により構築されたネットワーク。

 インターネットセキュリティーの専門家、Jan Droemer氏と、英コンピューター・セキュリティ会社ソフォスラボ(SophosLabs)のDirk Kollberg氏によると、Koobfaceを流布した5人は、ロシアのサンクトペテルブルク(St. Petersburg)に住んでいるという。

 ソフォスラボはブログで、5人の身元と証拠品を警察に提出したと述べている。

 Koobfaceは2008年に初めてその存在が明らかとなり、メッセージの形式で拡散した。メッセージのタイトルには「新作映画に映っていたあなたの姿が本当に素晴らしかった」などと書かれていたという。

 受信したメッセージを開封すると、数クリックでユーザーのPCはウイルスに感染してしまう。メッセージは動画アプリケーションの更新を求めるなど、巧みにユーザーを誘導する。

 被害に遭ったユーザーの中には、Koobfaceによりアンチウイルス・ソフトの購入を誘導され、その上でウイルス感染した数多くのPCにより構築されたボットネットに組み込まれてしまったケースもあるという。(c)AFP

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