【12月6日 AFP】インターネット検索サイト大手ヤフー(Yahoo)は3日、2007年の検索ランキングを発表した。全世界の同ユーザー数億人が2007年に興味を持った事柄は「地球温暖化」「セレブの騒動」「ソーシャルネットワーキング」「『ハリー・ポッター(Harry Potter)』シリーズ最終巻」だった。

 検索ランキングは「何が人々の興味をそそり、世界が何に関心を持っているのかを知るバロメーターだ」とヤフーのプロダクト・マーケティング・ディレクター、Raj Gossain氏は語った。

■イラク、軍事問題、リコール・環境問題に関心

 ニュース関連では、故サダム・フセイン(Saddam Hussein)元イラク大統領や中東に関する報道が最も多く検索され、続いて原油価格、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領に関する話題が続いた。「人々は戦況について調べている。イラクからの撤退方法について検索している人が増えている」と語るのはヤフーのVera Chanニュース編集主任。「イランの状況や核開発計画、さらなる軍事衝突に対する懸念なども高い」

 ペットフードや玩具からピーナッツバターに至るまで、リコール問題についての関心も高かった。Gossain氏によれば、地球温暖化に関する情報や温暖化を防ぐための方法を探す検索も多かったという。環境問題に関する検索ワードでは「リサイクル」「ハイブリッドカー」「太陽エネルギー」、地球温暖化に関わる活動で2007年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞した「アル・ゴア(Al Gore)」元米副大統領などが上位だった。子どもたちによる検索でも、動物やゲーム、恐竜、宿題などに加えて、地球温暖化がトップ10に入った。

「こういった検索は、人々の行動を起こしたいという願いを示している。環境問題は人々の意識に確実に浸透している」とGossain氏は語った。

■セレブのスキャンダルや騒動も話題に

 インターネット上には常にセレブに関する情報があふれているが、2007年はスターの問題や悲劇に注目が集まった。トップに立ったのは歌手のブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)さん。続いてパリス・ヒルトン(Paris Hilton)さん、2月に米国フロリダ(Florida)州ののホテルで遺体で見つかったアンナ・ニコル・スミス(Anna Nicole Smith)さんに関する検索が多かった。

「こうした話題は、現代のポップカルチャー版ギリシャ悲劇だ。この数年、セレブは騒動を起こしては謝罪し、リハビリ施設に入所するというのがある種、お決まりになっている。それが今年はいっそう激しかったようだ」とChan氏は語った。

■『ハリーポッター』はネット検索でも人気

 さらに2007年の大きな話題となったのが、7月に発売された『ハリー・ポッター』シリーズ最終巻。そのほか、米テレビドラマ『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア(The Sopranos)』や『キャプテン・アメリカ(Captain America)』の主人公の死などについても検索が多かった。

 テクノロジー部門では、動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」、インターネット百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」、ソーシャルネットワーキングサービス大手「フェースブック(Facebook)」、企業では「iTune」、「iPod」、「iPhone」を手掛ける米アップル(Apple)への興味が高かった。さらに、任天堂(Nintendo)の「Wii」、マイクロソフト(Microsoft)の「Xbox 360」と同機用の音楽シミュレーターゲーム「ギターヒーロー(Guitar Hero)」、ソニー(Sony)の「プレイステーション3(PlayStation 3PS3)」などの各家庭用ゲーム機やソフトがトップ10に入った。

 Chan氏は語る。「2007年はわれわれが岐路に立たされた1年だったといえる。個人の生活レベルと地球規模の両方で変化が訪れつつある」(c)AFP/Glenn Chapman