【9月19日 AFP】原子力発電所を2022年までに全廃する予定だったドイツで5日、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相率いる現政権が原発の運転を10年以上延長する方針を決めたことを受け、首都ベルリン(Berlin)で18日、大規模な抗議デモが行われた。

 左派系野党の支援を受けた環境保護グループが主催したもの。デモのために特別列車が運行されたほか、バス150台がチャーターされ、ドイツ全土からデモに参加する人びとをベルリンへ運んだ。主催者発表で10万人、警察発表で3万7000人がデモに参加した。

 ドイツは社会民主党(SPD)政権時代に脱原発方針を掲げ、2022年までに国内の原子力発電所を段階的に廃止することを決めていたが、09年の選挙後、連立相手が変わって中道右派寄りとなった第2次メルケル政権は、原発延命路線への切り替えを打ち出した。

 脱原発法の改定案では、ドイツ国内の原子炉17基の稼動を、予定されていた2020年よりも平均12年延長する方針。独メディアは、ドイツ最後の原発は2040年まで運転を続けることになると伝えている。運転延長反対派は、原発稼働長期間をさらに先まで長引かせる動きも出てくるのではないかと懸念している。

  一方、フランス国境にある独西部の街ペルル(Perl)でも同日、約16キロ離れた仏カットゥノム(Cattenom)にある原子力発電所の閉鎖を求め、約1000人がデモを行った。(c)AFP