【3月9日 AFP】米ハリウッド(Hollywood)で7日に開催された第82回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式の全米視聴者数が5年ぶりの高水準となったことが明らかになった。メディア分析大手の米ニールセン(Nielsen)が8日、発表した。

 ニールセンによると、今年の全米視聴者数は平均4130万人で、昨年の3630万人から14%も増加したという。4210万人を記録した2005年以来となる高い数値だ。また、7000万人が少なくとも6分間はテレビ中継を見ていたという。

 アナリストは、候補作品が10本に拡大された作品賞部門に大ヒット作『アバター(Avatar)』がノミネートされたことが要因ではないかと分析する。

 アカデミー賞において、作品賞候補の興行収入と授賞式の視聴者数の間には相互関係があり、興行収入が多い作品がノミネートされると視聴者数が増加する。

 インディペンデント系やダークな作品が多かった2008年には、視聴者数は過去最低の3201万人に落ち込んだ。

 しかし翌年には、オーストラリア出身の人気俳優ヒュー・ジャックマン(Hugh Jackman)が司会を担当し、式の内容にも変化が加えられ、視聴者数は13%増加した。

 統計を取り始めてから最も視聴者数が多かったのは『タイタニック(Titanic)』が作品賞を受賞した1998年で、その数は5525万人に達した。

 昨年の授賞式では、大ヒット作『ダーク・ナイト(The Dark Knight)』が作品賞のノミネートから外れ物議を醸していた。そして今年、授賞式を主催する映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and SciencesAMPAS)は、作品賞の候補数を5本から10本に倍増させた。

 専門家はこの倍増を、視聴率上昇を狙って、より人気の高い作品を候補作に入れるための変更だったとみている。(c)AFP