【2月16日 AFP】世界銀行(World Bank)のロバート・ゼーリック(Robert Zoellick)総裁(58)は15日、5年の任期満了に伴い6月末で退任する意向を表明した。次期総裁人事をめぐり、欧米が2大国際金融機関のトップを独占する慣例に新興国が再び異議を唱えるとみられる。

 米欧間の1945年の暗黙の合意に基づき、世銀総裁は米国から、国際通貨基金(IMF)の専務理事は欧州から選出するのが慣例となっている。ゼーリック氏の後任にはヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官、ティモシー・ガイトナー(Timothy Geithner)財務長官、ローレンス・サマーズ(Lawrence Summers)元財務長官ら、3人の米国人の名前が上がっている。 

 だが、新興国はこの体制に不満を唱えており、欧米との対立が予想される。前年5月にIMFのドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)前専務理事が性的暴行容疑で逮捕され辞任した際には、後任を欧州以外から選ぶよう新興国側が強く要求し、最終的に経済大国が後押しするクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)仏経済相(当時)に決まった経緯がある。

 こうした中、複数の国際開発NGOや活動家らは15日、連名で公開書簡を発表し、次期世銀総裁人事に途上国の意見も反映させるよう求めた。(c)AFP/Paul Handley