【3月12日 AFP】イスラエルのスーパーマーケット・チェーンが、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)で1月にパレスチナのイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)幹部が暗殺された事件を題材にしたテレビCMを制作した。「価格を抹殺しろ」とのキャッチコピーで低価格を宣伝している。

 10日に放送されたCMは、ドバイ警察が公開した防犯カメラの映像に映っていた暗殺事件の容疑者の姿と同じ、テニスウエアを着た男性と大きなサングラスにつばの広い帽子をかぶった女性が、店内をめぐりながら人目を忍んで商品をカートに入れていく様子を防犯カメラで追っていくという内容。

「悪趣味」との批判に対し、同チェーンの広報担当はAFPの取材に「ただのパロディーだ」と反論し、メディアの大注目を集めた暗殺事件に便乗しただけだと説明した。「ドバイで起きたことを題材にしただけだ。イスラエルではどのお笑い番組もやっている。われわれもやらない手はない」

 イスラエル当局は事件について、同国の対外特務機関モサド(Mossad)の関与を認めていないが、同国メディアはモサドの犯行だと確信した報道を行っている。(c)AFP