【1月8日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は7日、ロシアがウクライナ経由の欧州向け天然ガス供給を全面停止した問題で、ウクライナのビクトル・ユーシェンコ(Viktor Yushchenko)大統領と電話会談し、供給再開に向けた条件を提示した。

 クレムリン(大統領府)報道サービスの発表によると、メドベージェフ大統領は、ロシアがウクライナに供給するガスの価格は、「欧州の価格水準に対応した市場水準である必要がある。割引や特別価格があってはならない」と指摘。滞納しているガス料金を支払い、ウクライナ領内を経由するガスの流通をEUオブザーバーが監督するなど新たな「管理体制」を導入するよう求めたうえで、ロシア政府は「いつでも」交渉に応じると述べた。

 これに先立ってロシア政府系の天然ガス独占企業ガスプロム(Gazprom)は、ウクライナが欧州向けガスを抜き取っているとして、同国経由の欧州向けガス供給の全面停止を発表していた。影響を受けるのは欧州連合(EU)圏内の全ガス需要量の5分の1に相当する。欧州では寒波のなか数万人(数十万人)が暖房不足に苦しんでいる。

 8日には欧州の仲介で両国のエネルギー企業関係者や政府高官がベルギーのブリュッセル(Brussels)で会合を開く。(c)AFP/Dario Thuburn