【8月13日 AFP】原料価格の高騰が消費者の懐を直撃する中、先進国、新興国を問わず世界中でインフレが猛威を振るっており、米国から欧州、アジアまで、政府や中央銀行は価格急騰を食い止める手段に頭を悩ませている。

 米国では消費者物価が5%上昇、連邦準備制度理事会(FRB)も追加利下げができず、景気後退目前とされる米国経済の救出が困難となっている。

 海を挟んだユーロ圏では、消費者物価指数の上昇率が1年間で倍以上に膨れ上がり、7月には過去最高の4.1%に達した。欧州中央銀行(ECB)はインフレ率を2.0%以内に抑えることを目指しているが、その2倍となっている。

 アジア諸国・地域では、長引くデフレに苦しむ日本でも、6月の消費者物価指数が10年ぶりの高い伸び率となる1.9%増となり、9か月連続で上昇。年間インフレ率が12%に達したインドでは、対応策として金融引き締めが予測される。

 インフレはエジプト(23%)やタイ(27%)など新興国で最も顕著で、物価上昇に対する抗議デモも発生している。

 一方で、事態は収束に向かっているとの指摘もある。中国のインフレ率は年間6.3%と依然高水準なものの、伸び率は3か月にわたり低下。最近の原油価格の下落が、世界的なインフレ圧力緩和の一助となる可能性もあるという。11日の原油先物相場は1バレル=111ドル台と1か月で35ドルも下げた。農産品も同様の傾向を示している。

 ただし、この下落傾向が確定したとしても、正常化は早くても今年末になると観測筋は警告している。(c)AFP/