【6月6日 AFP】米携帯電話大手のベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)は5日、同業のオールテル(Alltel)を承継債務を含め281億ドル(約2兆9800億円)で買収すると発表した。経営統合が実現すれば、通信最大手AT&Tを抜いて全米最大の携帯電話サービスが誕生することになる。

 ベライゾン・ワイヤレスは2007年、オールテル買収をめぐってTPGキャピタル(TPG Capital)と米ゴールドマン・サックス・キャピタル・パートナーズ(Goldman Sachs Capital Partners)でつくる米プライベート・エクイティ・グループと、275億ドル(約2兆9200億円)の買収額で合意していた。

 買収案によると、ベライゾン・ワイヤレスはオールテルの株式を59億ドル(約6260億円)で取得し、222億ドル(約2兆3600億円)の債務を引き受ける。両社は承認を待ち、2008年末までに合併を完了したいとしている。

 実現すれば、契約者数6700万人で全米第2位のベライゾンが、契約者数1300万人で第5位のオールテルの経営権を取得し、顧客7140万人の業界首位AT&Tをしのぐ。2008年最大の企業買収となるとみられ、世界の通信業界の整理統合が一層加速する可能性がある。

 ベライゾン・ワイヤレスは、米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications)と英通信大手ボーダフォン(Vodafone)が出資する合弁会社。(c)AFP