【4月25日 AFP】原油価格は今後5年間で1バレル=225ドルまで高騰するとの見通しが24日、発表された。カナダの銀行大手カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(Canadian Imperial Bank of CommerceCIBC)はレポートの中で、供給が今後ますます逼迫し、原油価格は2010年までに1バレル=150ドルに、2012年には225ドルまで上がる可能性を指摘している。

 レポートは、国際エネルギー機関(International Energy AgencyIEA)の現在の原油生産見通しについて、輸送燃料に適さない液化天然ガスを含めており、供給量を約9%多く見積もっていると指摘。大規模油田の多くで生産量が急速に低下していることから、生産量の増加はほとんど見込めず、今後5年間で日量100万バレルにとどまると見ている。輸送燃料は世界消費の大半を占める。

 一方で、新興国の経済発展で需要は拡大するとし、ガソリン価格の高騰と経済の落ち込みで米国内の需要は一日当たり200万バレルまで減少するものの、ロシア、中国、インドなどで自動車の利用が増えるため、供給は逼迫するとの見方を示している。

 レポートによると、2007年の自動車販売はロシアで60%、ブラジルで30%、中国で20%増加した。また、タタ・モーターズ(Tata Motors)が低価格車を売り出したインドは、一般家庭への自動車の普及が急速に進むと見ている。(c)AFP