【3月6日 AFP】スイスのジュネーブ(Geneva)で6日に開幕したジュネーブモーターショー(Geneva Auto Show)で、好調な国内需要を背景に、中国とインドの自動車メーカーが勢いを見せている。

 中国のBYDオート(BYD Auto)とインドのタタ・モーターズ(Tata Motors)の楽観性は、成長予測を修正し注意深く先行きを見つめる欧州・北米メーカーの態度とは対照的だ。

 BYDオートは、海外市場向けのハイブリッドカーや完全電気自動車を生産するため、高技術なバッテリー開発に特化することを目指している。同社の販売責任者Paul Lin氏はAFPに対し、「欧州で2、3年のうちに販売を開始できればと考えている」と述べた。

 同社は1995年、従業員20人のバッテリー製造会社として創業。現在では従業員12万人、推定資産350億元(約5100億円)のIT(情報技術)サービス、自動車、燃料技術を提供する多角的企業に成長している。

 Lin氏によると、過去13年の平均年成長率は17%にも達し、2008年には国内販売台数を20万台(前年10万台)、海外販売台数を2万5000台(同1万台)に増やすことを目指している。

 特に、2つの異なるエネルギー源を使い分けて走行する「デュアルモード」自動車の海外市場での販売に的を絞っており、欧州の厳しい安全基準に適合するかどうか、慎重に見極めている段階だという。

「品質を改善し、われわれの自動車が欧州市場に適するよう尽力している」とLin氏は語る。

 IT運用ではすでに欧州での生産拠点網を持っており、長期的には欧州市場向けの自動車生産事業を拡大することを検討しているという。

 BYDオートと並び、インドの巨大財閥グループ、タタ・グループ(Tata Group)も主要新興国から同ショーに参加し、旋風を巻き起こしている。タタは小型で必要最小限の装備のみを搭載した世界最低価格のファミリーカー「Nano」2タイプを発表した。(c)AFP