【12月27日 AFP】ロシアのモスクワ(Moscow)で26日、氷雨により大規模な停電が発生し、主要空港が閉鎖するなど市の交通機関が大混乱となった。

 モスクワでは、突然の暖かい天候で氷雨が発生。同市のドモジェドボ(Domodedovo)国際空港は同日午前8時(日本時間同日午後2時)ごろに全面的に停電となった。

 航空当局者によると、1日あたり5万5000人が利用するドモジェドボ空港では、国内線が数便しか飛ぶことができず、約8000人が空港に足止めされた。

 また、モスクワ第2の空港、シェレメチェボ(Sheremetyevo)国際空港は停電の被害を受けなかったが、国際線などでは数時間の遅延が発生した。

 空港では旅行者に帰宅するよう呼びかけたが、空港とモスクワ市内をつなぐ列車も運行がストップしており、市内に向かうタクシーの運賃は通常の10倍に跳ね上がったという。路面電車やトロリーバスも運休しため、臨時に96台のバスが出て振替輸送にあたった。

■27日になって順次復旧、被害は12万人に

 ドモジェドボ空港の停電は一部復旧し、26日夜から27日朝にかけて国内便数十便が発着した。関係者によると27日中に通常運航に復帰できるかもしれないという。

 また、ロシアのアエロフロート・ロシア(Aeroflot Russian)航空がハブ空港に利用するシェレメチェボ空港は、除氷剤が不足しているため、27日になっても運航便に大幅な遅延が起きている。

 インタファクス(Interfax)通信によると、モスクワでは27日までに、枝に積もった氷の重みで倒れた木の下敷きになるなどして27人が負傷した。暖かさで解けて落下するつららで傷つかないようにマットレスをかぶせられた車や、建物にへばりつくようにして道の端を歩く人の姿も見られた。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は、モスクワなどで41万2000人が停電の影響を受けたと述べたが、この数は26日夜には12万1000人にまで減った。(c)AFP/Andrei Smirnov