【11月28日 AFP】母国ハンガリーを訪れていた米ニューヨーク(New York)在住の女性が、肥満のために航空機に乗ることができず、代替の帰国便を探す中、死亡した。遺族は航空会社を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こした。

 ニューヨーク・ブロンクス(Bronx)区在住のヤノス・ソルテス(Janos Soltesz)さんと病気の妻ビルマ(Vilma)さんは10月、デルタ航空(Delta Air Lines)とKLMオランダ航空(KLM)に、体重180キロのビルマさんが座れる席がないと言われ、ハンガリーから帰国することができなくなった。

 ソルテスさん夫婦は当初、ハンガリーの首都ブダペスト(Budapest)からKLMで帰国しようとしたが、KLM側からはチェコのプラハ(Prague)に行って提携先のデルタ航空(Delta Air Lines)が運航する大型の航空機に乗るよう告げられた。だが夫婦はデルタ航空にも搭乗を拒否され、さらにルフトハンザ航空(Lufthansa)の航空便に乗ろうとしたが、そこでも断られた。

 米CBSによると、ビルマさんが乗れる便が見つかったのは、当初予定の航空便から9日後だった。ビルマさんはすでに死亡していた。

 夫のヤノスさんは航空会社を相手取り、600万ドル(約5億円)の賠償を求める訴訟を起こした。ヤノスさんの代理人を務めるピーター・ロナイ(Peter Ronai)弁護士は米CBSに、「航空会社は責任をもって彼女をハンガリーに連れて行った。ハンガリーから彼女を帰すのも彼らの責任だ。彼女がハンガリーに行けたのに帰ってこられないというのはどういうことなのか、私にはさっぱり理解できない」と述べた。

 デルタ航空の広報担当者は、AFPの取材に対し、ソルテス夫人を航空便に乗せることは「物理的に不可能だった」と述べ、「デルタとKLMは、家族を支援するためにできる限りのことをした。プラハではデルタ航空のスタッフが1時間近くにわたって、航空機に搭乗させようと努力したが、不可能だった」と語った。(c)AFP