【10月14日 AFP】ケニアの警察当局は13日、同国北東部にあるダダーブ(Dadaab)難民キャンプで支援活動を行っていたスペイン人女性2人が同日、ソマリアのイスラム過激派組織アルシャバブ(Shebab)に誘拐されたと発表した。

 2人は医療援助団体「国境なき医師団(Medecins Sans FrontieresMSF)」のスタッフだという。同国で外国人が武装集団に誘拐される事件はこの1か月で3件目。

 警察によると、2人を乗せて走っていた車の運転手が狙撃され、重傷を負った。2人は四輪駆動車に連れ込まれ、この車はソマリア国境に向けて走り去ったという。ソマリアは内戦のさなかだが、車が向かったという国境の街では激しい戦闘が報告されている。

 なお、スペイン外務省も、2人が誘拐された事実を認めた。捜索活動は、豪雨により中断を余儀なくされているという。

 ダダーブキャンプは、干ばつや内戦などから逃れてきたソマリア難民45万人を収容する世界最大の難民キャンプ。

■観光業に打撃

 ケニアでは最近、海岸地方で外国人がソマリアの武装集団に誘拐される事件が相次いでおり、経済の要である観光業が打撃を受けている。

 今月初めには、人気の観光地であるラム島(Lamu)でフランス人女性が誘拐され、ソマリアに連れ去られた。ラム島では、武装集団が英国人男性を殺害し、妻を誘拐する事件も起きている。

 武装集団から解放条件で接触があったかどうかは明らかにされていない。(c)AFP