【12月10日 AFP】中国南西部の四川(Sichuan)省で、病院で診察に訪れた11歳の少女の頭部から針が埋め込まれているのが見つかった。少女の誕生直後、男児を望んでいた親戚が少女を殺害する目的で頭部に針を埋め込んだ疑いがもたれている。

 地元ニュースサイトSichuan Onlineによると、この少女、ピンピン(Ping Ping)ちゃんは原因不明の知的障害があったため、母親が8月、成都(Chengdu)の病院で診断を受けさせたところ、医師がピンピンちゃんの脳から錆びた針片を発見した。

 ピンピンちゃんは6歳まで言葉をしゃべることや歩くことができず、11歳になった現在も知能レベルは3歳児相当だという。また、長年、原因不明の高熱にも悩まされていた。成都で手術を受けたピンピンちゃんは、以後、順調に回復しているという。

 ピンピンちゃんの脳から針片が見つかったことについて、母親は、ピンピンちゃんが生まれた直後に親戚がピンピンちゃんを殺害しようとしたと疑っているという。

 中国では、「一人っ子政策」の導入に加え、伝統的にも貧しい農村地区を中心に家計の担い手となる男児を好む風潮が根強い。女児を妊娠した場合の中絶や、生まれた女児が殺害されるという事件も後を絶たない。

 南西部・雲南(Yunnan)省でも2007年、29歳の女性の体内から26本の針が見つかっている。生まれた赤ん坊が男児でなかったことに失望した祖父母の仕業とみられている。女性は、体内から針を摘出する手術を受けた。(c)AFP