【7月17日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は16日、殺害されたチェチェン共和国(Chechnya)の人権活動家、ナタリヤ・エステミロワ(Natalya Estemirova)さんについて、不愉快な真実を明らかにしていくという生前の活動を称賛した。

 ロシア報道各社によると、チェチェンの首都グロズヌイ(Grozny)では同日、エステミロワさんのささやかな葬儀が行われた。遺体は故郷のIshkhoi-Urt村に埋葬されるという。

 一方、エステミロワさんが所属していたロシアの人権団体「メモリアル(Memorial)」は、事件の背後には親ロシア派で知られる同共和国のラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)大統領がいると主張している。

 同団体によると、エステミロワさんはカディロフ大統領から脅され、侮辱され、「敵」と見なされていたという。Oleg Orlov代表は、「彼自身が(殺害)命令を下したのか、それとも彼の部下がボスを喜ばせようとして殺害したのかは、わからない」と話している。

 だが、カディロフ大統領は「無力な女性」(大統領)の殺害には憤りを覚えると発言しており、捜査の進ちょくを監視していくことを表明している。

 カディロフ大統領は、チェチェンに一定の安定をもたらしたことでロシア政府から高い評価を受けているが、人権活動家らは、大統領が親衛隊に反体制派の誘拐や拷問を行わせているとして強く非難している。(c)AFP/Stuart Williams