【10月16日 AFP】イタリアマフィア「カモーラ(Camorra)」の実態を描き、ベストセラーとなった著書『死都ゴモラ(Gomorra)』の作者ロベルト・サヴィアーノ(Roberto Saviano)氏が、15日にテレビのインタビューに答え、新たにカモーラから暗殺予告を受けたためイタリアを出国すると語った。

 サヴィアーノ氏の出国することはすでに報じられていた。同氏はその報道を事実と認め、「出国しようと思っている。彼らにすべてを奪われた。私に残っているのは怒りだけだ」と話した。

 レプブリカ(Repubblica)紙は14日、カモーラ一族「Casalesi」家のメンバーが、『死都ゴモラ』が混乱を引き起こしたとして、クリスマスまでに警備員ともどもサヴィアーノを暗殺すると語ったと報じていた。

 同著は映画化もされ、カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で最高賞に次ぐグランプリを獲得したほか、来年のアカデミー賞外国語部門にもイタリア代表作品として選出されている。

 2年前に初めて暗殺予告を受けてから警察の保護下で生活してきたサヴィアーノ氏は、「普通の生活が欲しい。家が欲しい。恋愛もしたいし、街でビールも飲みたいし、日差しや雨の中を歩きたい。おびえることなく母親に会いたい。自分のことをまるで末期症状の患者のように話すのはもう嫌だ」と語った。(c)AFP