【5月28日 AFP】南太平洋の島国フィジー港湾公社のトップは27日、日米豪印4か国の協力枠組み「クアッド」がフィジーの港湾インフラ整備に乗り出すという「サプライズ」発表を受け、同国が掲げる主要港の移転という10億ドル(約1600億円)規模のプロジェクトに対して、クアッドからの支援が得られるのではないかとの期待が高まっていると述べた。

フィジーのシティベニ・ランブカ首相は2023年、フィジーの港湾を整備し造船業を再生する計画について、中国の習近平国家主席にプレゼンテーションを行っていた。

フィジーの首都スバにあるスバ港には同国海軍の基地があるが、約100隻の中国漁船が同港を拠点に太平洋で活動し、中国海軍の宇宙遠洋測量船(衛星追跡艦)「遠望7号」の寄港地にもなっている。

太平洋における中国の野心を安全保障上の脅威として警戒しているオーストラリアは2024年、中国によるフィジー港湾への投資を阻止すべく、フィジーと協力して同国の埠頭を再開発することで合意した。ただしその時点では、スバ港の移転に関する確約はなされなかった。

26日にインドで開催されたクアッド外相会合で、日米豪印の4か国がフィジーと連携し同国における港湾インフラおよび関連活動の推進に取り組むことが発表された。

フィジー港湾公社のスレシュ・プラサド最高経営責任者(CEO)代行はAFPに対し、クアッドの発表はサプライズだったと述べた。

フィジー政府が株式の41%を保有するフィジー港湾公社はこれまで、1億8100万ドル(約288億円)規模の港湾インフラ整備プロジェクトに加え、主要港であるスバ港を移転させる18億2000万ドル(約2900億円)規模のプロジェクトについて、米国側と協議を重ねてきた。

プラサド氏によると、今年2月に米国務省のナンバー2、クリストファー・ランドー国務副長官がフィジー港湾公社側と会談したほか、4月にも米当局者が港湾整備プロジェクトの資金調達について協議するためにフィジーを訪れた。ただしその時点では、米国がどのプロジェクトを支援するかについては言質が取れなかったという。

プラサド氏は、「もしこれがクアッドのプロジェクトになるのであれば、巨大プロジェクトになるはずだ。おそらくスバ港(の移転)となる可能性が最も高いだろう」との見方を示した。

ランブカ首相は25日、議会に対し、フィジーが米対外援助機関「ミレニアム挑戦公社(MCC)」との間で、港湾の実現可能性調査に関する合意に達したと説明した。

ランブカ首相は、フィジーがMCCとの間で資金調達協定を結ぶことを期待しているとした上で、これが借款ではなく返済する必要のない贈与である点を強調した。

公式データによると、フィジーは10年前に実施された道路建設などのインフラプロジェクトをめぐり、現在も中国の政府系銀行に対して1億900万ドル(約174億円)もの債務を抱えている。(c)AFP