不倫想起の「2人の夫」広告、中国当局は冗談で済まさず
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【5月12日 AFP】中国のスマートフォン大手OPPOは11日、不倫を想起させる広告を掲載したとして当局から叱責を受け、複数の幹部を「厳罰に処した」と発表した。これは、婚姻率の低下と社会規範の変化に対する当局の敏感さを示している。
中国は過去10年間で出生率が半減し、人口危機に直面している。これに対し当局は、伝統的な家族形態を強く推奨している。
OPPOは8日、中国の短文投稿サイト微博(ウェイボ)に、「私の母には2人の『夫』がいる。1人は私の父で、もう1人は年に2回しか会えない」と投稿した。
2人目の「夫」は、母親が推している有名人を指したものとみられる。
OPPOは8日の声明でこの広告について、直ちに削除したが、「推し活」を楽しむことを含めた「現代の多様な母親像」を示すことを目的としたキャンペーンの一環だったと説明した。
だが、投稿を削除しただけでは、当局からの批判を止めることはできなかった。
東部浙江省の当局は10日の声明で、「夫が2人なんて、全く面白くない」と切り捨て、各社に対し、より若い消費者にアピールしたいという誘惑に駆られるかもしれないが、顧客獲得のために人民の感情をあおるような行為は避けるべきだと警告。
「境界線を曖昧にすれば、不快感を与える行為を創造性と勘違いすることになる」と述べている。
中国メディアによると、中国広告協会も同日、倫理的な境界線を越えたとしてブランド各社を非難した。
これを受けてOPPOは11日、「主流の社会的価値観の最低限の基準を無視した」として、シニア・バイスプレジデントとマーケティングマネジャーらを「厳罰」に処したと発表した。
中国の婚姻率が低迷を続け、政府が掲げる「出産に優しい社会」の構築という政策課題にとって大きな障害となっている。
中国民政部が9日に発表したデータによると、2026年第1四半期の婚姻件数は170万件で、前年同期比で6.2%減少した。
当局は問題の広告が母親と子どもを不快な気持ちにさせると主張したが、ソーシャルメディアユーザーの中には騒ぎになる理由が理解できない人もいた。
微博で最も多くのいいね!を獲得したコメントには、「死ぬほど笑える」と書かれていた。
「OPPOは今ごろになって、顧客のほとんどが実は夫か彼氏にスマホを買ってもらっていたことに気づいたんだね」というコメントもあった。(c)AFP