【5月25日 AFP】中国・香港の18~27歳のうち、将来子どもを持ちたいと考えている割合が約半数にとどまり、過去最低を更新したことが、香港家庭計画指導会(Family Planning Association of Hong Kong)が24日に公表した調査結果で明らかになった。

 調査は5年に1度実施。今回は2022年、18~27歳の約1200人を対象に実施された。

 調査によれば、子どもを望む割合は女性が51.1%、男性が44.8%で、過去10年間で約9ポイント低下した。

 子どもが何人欲しいかとの質問でも、1人が初めて2人を上回った。

 子どもが欲しいと考えている人の間でも、第一子を希望する年齢はこれまでより高く、中央値は女性で30.4歳、男性で32.7歳となった。

 調査を主導した香港大学(University of Hong Kong)の専門家ポール・イップ(Paul Yip)氏は「若者は自分の人生をより自由に、縛られずに生きたいと考えている。家族を養う場合に直面するような経済的困難も懸念している」と指摘した。

 子どもを望まない理由で特に多かったのが、育児の責任への不安、社会が子育てに適していないこと、経済的な負担の重さだった。

 人口750万人の香港はアジアでも特に出生率が低く、高齢化も進んでいる。昨年の出生数は過去最低の3万3200人。合計特殊出生率は0.75で過去最低を更新し、人口置換水準の2.1を大きく下回った。

 香港政府トップの李家超(ジョン・リー、John Lee)行政長官は昨年10月、「持続的な低出生率」に対処するため、出産一人当たり2万香港ドル(約40万円)の一時金を支給すると発表した。

 イップ氏は、一時金は「良い措置」だが、少子化対策につながる可能性は低いとして、政府には出生率の改善を促すためにもっとできることがあると指摘した。(c)AFP