【5月7日 AFP】クルーズ船「MVホンディウス」での集団感染が疑われるハンタウイルスをめぐり、世界保健機関(WHO)の専門家は6日、最初に死亡した患者が乗船後にウイルスに感染した可能性はないとAFPに述べた。

クルーズ船は4月1日にアルゼンチン南部のウシュアイアを出発し、大西洋を北上してカーボベルデ沖に3日に到着した。乗客と乗組員は約150人だった。

WHOは、ハンタウイルスへの感染で死亡した3人のうち、1人は乗船前にすでに感染していたと断定した。

ウイルスへの感染および感染疑いのある8人のうち、最初に発症したのは70歳のオランダ人の乗客だった。

WHOによると、この男性は4月6日に発熱、頭痛、軽い下痢などの症状を示し始め、11日に呼吸困難を起こし、その日のうちに船内で死亡した。

「潜伏期間、つまり感染から症状が現れるまでの期間は1~6週間だが、通常は2~3週間程度」と、WHOのウイルス性出血熱の専門家アナイス・レガンド氏はAFPに語った。

そうした理由から、最初の感染者が「船内や途中で寄港した島で感染した可能性はない」と指摘し、「明らかに乗船前に感染しており、感染は確実にネズミに関連している」と続けた。

死亡した3人のうち、ハンタウイルスの陽性反応が確認されたのは、このオランダ人の男性の妻(69)のみだ。

女性は4月24日に夫の遺体が下ろされた英領セントヘレナ島で共に下船し、25日に南ア・ヨハネスブルクに搬送され、その翌日に死亡した。

また、5月2日に船内で死亡したドイツ国籍の乗客もハンタウイルスによる死亡が疑われている。

既に下船し、現在はヨハネスブルクとスイス・チューリッヒの病院でそれぞれ治療を受けている別の2人も、ウイルスへの感染が確認されている。さらに感染の疑いがある別の3人がオランダに搬送された。

クルーズ船は3日からカーボベルデの首都プライア沖に停泊していたが、6日にスペインのカナリア諸島を目指して出航した。

ハンタウイルスは通常、感染したネズミの尿、糞、唾液を通じて感染する。ヒトからヒトへの感染が確認されているのはアンデス型のみで、陽性反応を示した2人からもこの株が検出されている。