【3月15日 AFP】米放送事業を監督する連邦通信委員会(FCC)のトップは14日、中東での紛争に関する否定的な報道をめぐり、メディア各社に警告を発した。ドナルド・トランプ米大統領が「偽ニュースメディア」による批判的な見出しを厳しく批判した直後の動きとなる。

トランプ氏は第1期政権時から主要メディアを「偽ニュース」と揶揄(やゆ)しており、不公平とみなす報道を理由に主要メディアを提訴してきた経緯がある。

米国のラジオ、テレビ、インターネットメディアを統括するFCCのブレンダン・カー委員長は、ニュース報道の内容次第では放送免許を失うリスクがあると警告した。

カー氏はX(旧ツイッター)への投稿で「法律は明確だ。放送局は公共の利益のために活動しなければならず、そうでなければ免許を失うことになる」と述べ、「偽ニュースとしても知られる、虚偽や事実を歪曲した報道を行っている放送局には、免許更新の時期が来る前に軌道修正する機会が今与えられている」と続けた。

カー氏は特定のメディアを名指しすることはしなかったが、サウジアラビアでのイランによる攻撃で空中給油機5機が被弾した件についてのトランプ氏の投稿を引用。この投稿でトランプ氏は「偽ニュースメディアによる意図的な誤報の見出し」と非難していた。

米国の言論の自由擁護団体「FIRE」は、カー氏の「権威主義的」な警告を「言語道断」と批判。「政府が罰則をちらつかせて報道機関に国家の代弁者になるよう要求するのであれば、それは何かが大きく間違った方向に向かっているということだ」と反論した。

2月28日にイスラエルと米国がイランへの空爆を開始して以降、トランプ氏とピート・ヘグセス国防長官は、批判的な記事を「偽ニュース」として一蹴し続けている。

13日には、国防総省とホワイトハウスの双方がCNNを名指しで批判した。CNNが「米国政府は、ホルムズ海峡におけるイランの世界的な石油流通の妨害能力を過小評価していた」と報じたことが発端だ。キャロラリン・レビット報道官はXに「この記事は100%偽ニュースだ」と投稿した。

カー氏は昨年、右派活動家のチャーリー・カーク氏暗殺をめぐる深夜トーク番組の司会者ジミー・キメル氏のコメントを問題視し、ABCの放送免許を剥奪すると警告した。ABCはこれを受け、一時的に番組を休止したが、広範な反発を呼び、その後放送を再開している。(c)AFP