【11月20日 AFP】米ホワイトハウスは19日、ドナルド・トランプ大統領が国内メディアの女性記者と怒りのあまり対峙(たいじ)した2件の出来事を受け、強硬な姿勢を示した。

ホワイトハウスは、18日にトランプ氏が米ABCニュースの記者に怒りをぶつけたことを受け、同局を「放送ネットワークを装った民主党のプロパガンダ機関」と呼んだ。また、14日にトランプ氏が大統領専用機エアフォースワンの機内でブルームバーグの記者に対して「静かに、子ぶた(quiet, piggy)」と発言した件については、「攻撃をするなら反撃される覚悟も必要だ」と述べた。

こうした言葉による攻撃は、トランプ氏が「フェイクニュース」と呼ぶ報道機関に対して対決的な姿勢を取ることが知られている中でも、特に厳しいものだった。

18日にサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子がホワイトハウスを訪問した際、ABCの記者が2018年に殺害された反体制派サウジアラビア人記者の件や、トランプ一家のビジネス、ジェフリー・エプスタイン元被告の事件について質問すると、トランプ氏は激しく反応。「ゲストに恥をかかせるな」と述べ、「ひどい記者だ」と非難し、ABCの放送免許を取り消すと脅した。

ブルームバーグの記者に対してもホワイトハウスは同様に反省の色を見せず、記者がエプスタイン元被告の関連資料の公開を求めたことに対し、「プロフェッショナルではない振る舞い」と非難した。

映像では、ブルームバーグの記者と別の記者が同時に話そうとする様子が確認できる。これは、記者団が大統領の注意を引こうとする中でよくある光景だ。

ホワイトハウスの匿名の関係者は「この記者は機内で同僚に対して不適切かつプロフェッショナルではない振る舞いをした。攻撃するなら、反撃される覚悟も必要だ」と述べた。

米大統領を取材する記者を代表する独立組織のホワイトハウス記者協会は、コメントの要請にすぐには応じなかった。(c)AFP