育てても消える…韓国セキュリティ業界を悩ます「人材流出ドミノ」
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【02月20日 KOREA WAVE】新入のセキュリティ人材を採用して専門家へと育成したとしても、実務能力を身につけた途端、より良い待遇を提示する大企業や顧客企業へ転職してしまう――韓国で、こんな「人材流出」が根深くなっている。セキュリティ人材は不足しているが新入は必要とされず、経験者のみが好まれる状況の中で、セキュリティ企業は人材流出の連鎖を断ち切れずにいる。
メガ・ニュース(MEGA News)のキム・ギチャン記者が取材した情報保護専門企業代表。最近、深い虚脱感を吐露した。
「新入人材の業務習熟のために2カ月ごとに試験を実施するなど、徹底して教育するという原則を持っている。しかし、このように約2年間新入人材を育て上げても、経験者を求める顧客企業のセキュリティ担当者として転職してしまうことが最大の悩みだ。社内教育が過酷で有名になったことで、逆説的に採用市場では『この会社で2年耐えれば大企業のセキュリティチームへのフリーパス』という認識まで広がった。同業界と比べて最高水準の給与を提供しているにもかかわらず、人材流出に対する明確な対策が思い浮かばず、途方に暮れている」
セキュリティ人材の流出は個別企業の悩みを超え、産業全体へと広がる様相だ。国会科学技術情報放送通信委員会所属のイ・フンギ議員(共に民主党)が科学技術情報通信省から提出を受けた資料によると、情報セキュリティ事業を主力とするセキュリティ企業の65%が人材流出を経験したことが分かった。セキュリティ企業の人材流出のほか、情報保護人材が流出したと回答した企業も57.2%と半数を超えた。これは韓国情報保護産業協会(KISIA)人材開発委員会(ISC)が全国278の情報保護企業を対象に調査した結果だ。
流出人材の経歴分布を見ると、「4年未満」が48.8%、「4年以上7年未満」が37.2%で、情報保護人材の多くは経歴が短いほど転職率が高いことが集計された。実務能力が花開く時期に荷物をまとめて他社へ転職している格好だ。
これにより、情報保護企業の悩みも資金調達より人材の確保および維持が最大の課題であることが調査で明らかになった。KISIAが発表した「2025年国内情報保護産業実態調査」によると、情報セキュリティ企業は「技術開発人材の確保および維持」(84%)を最大の悩み(複数回答)として挙げた。続いて資金調達が72.9%と集計され、金銭的な問題よりも人材に対する悩みのほうが大きいことが示された。
全般的なセキュリティ人材の深刻な不足により、経験者の転職に好意的な採用市場が形成されている点も、セキュリティ人材の流出を加速させている。
グローバルセキュリティ企業シスコが発表した「2025サイバーセキュリティ準備指数」によると、韓国企業の97%が「セキュリティ人材不足」を訴えていることが分かった。フォーティネットが発表した「グローバルサイバーセキュリティ技術格差報告書」によると、世界で約470万人のサイバーセキュリティ人材が不足していると推定される。
IT企業でセキュリティ部門の採用を担当しているある担当者は「セキュリティ人材流出の問題は、個別企業が待遇を改善し採用を拡大しようという意思だけでは解決不可能な構造的問題だ。国家レベルの体系的な人材育成ロードマップに基づき、政府・企業などすべての主体が結集しなければならない。政府は海外水準に合わせたセキュリティ産業投資活性化のための政策提言や、多様な実務経験を積める公共プロジェクトの策定、企業は能力ある人材に対する海外水準に見合った待遇改善が不可欠だ」と強調した。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News