高級ブランド下請けで搾取疑い 伊当局、各社に説明求める
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【12月4日 AFP】グッチ、プラダ、ヴェルサーチ、イヴ・サンローランを含む13の高級ブランドの下請け業者が、イタリアで中国人労働者を搾取している疑いが出ている。イタリア・ミラノの検察官が4日、文書を発表した。
AFPが確認した文書によると、搾取的な条件下で中国人労働者を雇用している下請け業者の作業場から、高級バッグや細部、衣類が発見されたという。
ブランドは捜査の対象とはなっていないが、検察当局は内部監査などのサプライチェーンに関する文書を迅速に提出するよう求めた。
検察当局が発表した文書は、フランスの高級ブランドグループ「ケリング」傘下のグッチ、イヴ・サンローラン、アレキサンダー・マックイーン、そして、同じく仏大手「LVMH」傘下のジバンシーに関するものだった。
その他、プラダと新たに買収したヴェルサーチ、さらには、フェラガモ、ピンコ、ドルチェ&ガッバーナ、ミッソーニ、オフホワイト、コチネッレ、そしてスポーツ用品大手アディダスの名前も挙がっている。
ミラノの検察はすでに、トッズ、ロロ・ピアーナ、ディオール・マニュファクチュール、ジョルジオ・アルマーニ・オペレーションズ、アルヴィエロ・マルティーニに対する調査を開始している。
ブランド各社が下請け業者に業務を再委託し、さらにその下請けが別の業者に委託するという構図は、コスト削減の圧力が強まる中で広く行われている慣行であり、労働環境の監督も行き届いていないことが問題視されている。
イタリア法では、承認された下請け業者など、企業の利益のために行動する代表者が犯罪を犯した場合、企業側も責任を問われる可能性がある。(c)AFP