【12月6日 東方新報】中国・湖北省(Hubei)で建設が進められていた「燕磯長江大橋」で11月22日、最後の鋼桁が取り付けられ、橋の主構造が完成した。これにより、同橋は「世界最大スパンの4主ケーブル吊橋」として主要部分が全てつながった。

燕磯長江大橋は、湖北省鄂州市(Ezhou)と黄岡市(Huanggang)を結び、長江(揚子江、Yangtze River)をひと跨ぎする形で建設された橋で、中央スパンは1860メートル。上層に6車線の高速道路、下層に4車線の都市高速道路を備えた二層構造となっている。総延長は約26キロ。

橋は上空に鄂州花湖国際空港(Ezhou Huahu Internation Airport)の高さ制限があり、下では長江の航路確保が求められたため、主塔を高くできないという制約があった。このため、支えるケーブルの配置や構造を工夫し、難易度の高い設計となった。建設チームは、橋の変形やケーブルの張力をリアルタイムで監視できるシステムを導入し、巨大な鋼桁をミリ単位で設置。中央部分は気温や風の影響を考慮しながら慎重に調整され、南北両岸が計画通り接続された。

中央スパンには69個の鋼桁が使われ、最大で約830トン。橋全体では約5万6000トンに及ぶ。吊り下げには1000本以上のハンガーロープが使用され、国内外の橋梁では初めて、溶接方式のケーブル固定具を大規模に採用し、部材の軽量化と標準化を図った。

燕磯長江大橋は、鄂州・黄岡エリアと湖北省の国際貨物ハブ空港・鄂州花湖国際空港を結ぶ重要インフラで、開通後は沿線の交通の渋滞を緩和し、道路・鉄道・水運・航空を結ぶ交通ネットワークの強化に寄与すると期待されている。(c)東方新報/AFPBB News