長江デルタ地域で初の都市間低空通勤フライト
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【3月25日 東方新報】長江デルタ地域で19日、都市間低空旅客飛行の初フライトが成功したことが明らかになった。
2機のヘリコプターがそれぞれ虹橋(Hongqiao)国際中央ビジネスエリア(以下、ビジネスエリア)から離陸し、虹橋国際オープンハブ(以下、虹橋ハブ)における都市間低空旅客飛行を実施した。これは、長江デルタ地域で省・市をまたいで低空経済の発展を推進する新たな試みである。
南方面では、3人の乗客を乗せたヘリコプターがビジネスエリア虹涇離着陸ポイントから出発し、虹橋ハブの南向き拡張ベルトに沿って松江区や金山区を経由。約40分後、嘉興市平湖の華湖航空飛行キャンプに安全に着陸した。
北方面では、もう1機のヘリコプターが同じく3人の乗客を乗せて虹涇離着陸ポイントから出発し、虹橋ハブの北向き拡張ベルトを通って嘉定体育公園、昆山会展センターの都市空港を経由し、約40分後に太倉港管理委員会に安全に着陸した。
虹橋国際中央ビジネスエリア管理委員会の産業発展部長・陳鐘宇氏は「低空経済は今後の移動スタイルの革新を象徴するものである」と述べた。ビジネスエリアは本社経済の拠点であり、ビジネス出張、観光体験、物流ニーズが高いため、ヘリコプター運営会社に対し市場の可能性を掘り起こし、常態化運航の実現を促す方針を示した。
今回の飛行では、ビジネスエリアと長江デルタ地域の主要都市間で初めてポイント・ツー・ポイントの低空通勤が実現され、虹橋ハブの「一核・二ベルト」構想を「空の回廊」で結び、跨省・市の低空飛行の実証実験を完了したことになる。「一核」とは、ビジネスエリアを中核とした「推進エンジン」、そして「二ベルト」とはビジネスエリアから北と南に延びる拡張ベルトを指す。
2024年11月6日に開催された「低空経済新時代・虹橋ハブ新動力」セミナーでは、ビジネスエリア管理委員会と江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)、浙江省(Zhejiang)嘉興市(Jiaxing)、安徽省(Anhui)蕪湖市(Wuhu)が協定を締結し、虹橋ハブの低空経済発展の協力体制を構築。都市間の低空飛行の試験的なルート・航路も発表された。その後数か月にわたり準備を進めた結果、旅客輸送の実行に必要な条件が整った。
実施企業の責任者・陳歓(Chen Huan)氏によれば、低空飛行により、虹橋ハブから周辺都市への移動時間は従来の交通手段と比べて70%も短縮されたという。たとえば、虹橋から蘇州・太倉港まではわずか20分で到着し、自動車より70%、高速鉄道より87%の時間短縮になるとのこと。現在、虹橋—松江(Songjiang)、虹橋—金山(Jinshan)、虹橋—嘉興および平湖(Pinghu)、虹橋—嘉定(Jiading)、虹橋—蘇州および太倉(Taicang)、虹橋—蘇州および昆山(Kunshan)の6路線で試験飛行が実施済みである。
今後は、ビジネスエリアと蘇州工業園区・相城区、嘉興南湖・海寧(Haining)・海塩(Haiyan)、安徽省の蕪湖・合肥(Hefei)を結ぶ低空航路も開設予定とされている。
上海市における低空経済の重要拠点として、ビジネスエリアでは応用シーンの拡張、産業政策の整備、産業エコシステムの構築など多方面から企業誘致を進めている。すでにビジネスエリアでは、低空経済に関する特別政策が打ち出され、事業主体、インフラ整備、技術革新、利用促進、環境整備といった5分野で全力支援を行っている。これにより高レベルな市場主体の集積と産業発展の新たな活力を生み出すことが期待されている。(c)東方新報/AFPBB News