拉致相次ぐナイジェリア北部、バスでの帰省も命懸け
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【11月27日 AFP】ナイジェリアの経済の中心地ラゴスのイド・バスターミナルで、ラシェダット・エニオラさん(29、女性)のような利用客たちが、不安な気持ちで旅をしていると語る。
看護師のエニオラさんは、妹の卒業式に参列するため北部カノ州へ向かうところだった。だが、北部では拉致事件が相次いでおり、帰省はいつも神経をすり減らすものとなっている。
エニオラさんは、「出発時刻が刻一刻と迫る中、私は考え、自問自答している。自分のしていることは正しいのだろうか? 本当にここにいるべきなのだろうか? (北部への)帰省について話した人たち全員に、(私が拉致されたとしても)身代金を払う余裕はないと言われた」と語った。
彼女が乗るバスは、過去10日間に大規模な拉致事件が起きた北部の州のほとんどを通り、カノに到着するまでに24時間以上かかる。
ナイジェリアではここ数日、大規模な襲撃・拉致事件が相次いでおり、ケビ州の寄宿学校襲撃でイスラム教徒の女子生徒25人、エルクの教会襲撃でキリスト教徒38人、ナイジャ州パピリのカトリック系寄宿学校襲撃で生徒と教師300人以上、クワラ州イスパの村襲撃で女性と子ども10人、ボルノ州の襲撃で少女13人が連れ去られた。
ケビ州の女子生徒25人とパピリの拉致被害者のうち生徒50人は解放されたが、依然として数百人が行方不明となっている。