【11月14日 CNS】近年、中国はまるで新しい姿に生まれ変わったかのようだと多くの人が感じている。その変化の中でも特に顕著なのが「テクノロジーの力」である。

生成AIの「深度求索(DeepSeek)」が世界を席巻し、「AI+」の波が農村から工場、街角にまで広がっている。科学技術分野では画期的なイノベーションが次々に生まれ、中国の科学技術に偏見を抱いていた人びとも、中国の技術力と経済成長の原動力を改めて見直し始めている。

中国は今、急速な経済成長から質の高い発展へと舵を切り、要素投入型からイノベーション主導型へ、そして「世界の工場」から「世界のイノベーション発信地」へと変貌を遂げつつある。未来の成長を決める経済転換がすでに本格的に始まっている。

経済発展は「量」よりも「質」を重視する段階に入った。データによると、中国の全要素生産性(TFP)は大幅に上昇し、GDP当たりのエネルギー消費量は減少を続けている。経済成長とエネルギー消費の「デカップリング(切り離し)」が一層進んでいるのだ。2000年から2021年にかけて、中国の全要素生産性は年平均3.6%の伸びを示し、「第14次五か年計画」後期にはAIなど新たな生産力の導入によってさらに加速している。

かつては人手に頼っていた生産ラインも、今では産業ロボットが精密かつ効率的に稼働している。天候に左右されていた農業も、ビッグデータやドローンの導入によって科学的な耕作が進むようになった。研究室で生まれた理論が産業園区で実用化され、イノベーションの連鎖が産業と融合していく。

製造業の高度化もその一例だ。AI、IoT、ビッグデータといった技術が伝統産業をスマート化へと導き、従来の生産方式も技術革新を通じて「古い木に新しい芽を吹かせている」。工業情報化部(工信部)は46都市で新型技術改造プロジェクトを進め、これまでに230以上の先進的スマート工場と1260の5G工場が完成。産業用ロボットの新規導入台数は世界全体の50%以上を占めている。

イノベーションは経済の「第一の原動力」としての存在感を強めている。世界知的所有権機関(WIPO)の2024年「世界イノベーション指数」では、中国が世界11位に上昇。上位30カ国・地域の中で唯一の中所得国となった。2024年の中国全体の研究開発(R&D)投資額は3兆6000億元(約77兆4504億円)を超え、2020年比で48%増加。対GDP比(R&D投資強度)は2.68%に達し、EU平均を上回った。研究者数でも世界一を維持している。

中国は「追随」から「並走」、そして「先導」へと移り変わりつつある。量子通信、有人宇宙飛行、深海探査、電波望遠鏡などの分野で世界トップクラスに入り、5G、超高圧送電(UHV)、高速鉄道といった技術はすでに世界をリードしている。

中国のイノベーションの価値は、単なる技術力の向上だけではない。超大規模市場が新しい技術の応用シーンを豊かに提供し、完全な産業チェーンが迅速な商用化を支え、新しい「国家総力体制」が基幹技術の突破に独自の強みを発揮している。

経済成長と民生向上の好循環も生まれている。より多くの資金と資源が「人への投資」に回され、経済発展の構造を根本から変えつつある。経済成長とともに住民の所得も着実に伸び、中間所得層は4億人を超えた。「インターネット+」「AI+」といった新産業が雇用や消費の新しい場を次々に創出している。

中間層の拡大は内需市場を強化し、高品質な発展の原動力となっている。また、社会保障制度や金融の普及により、イノベーションの成果がより公平に人びとに行き渡り、市場活力と社会の創造力を引き出している。

市場の力と政府の役割を両立させ、経済効率と社会公平を両立させ、開放と安全を両立させる——それが中国型発展の特徴だ。西洋のモデルを模倣するのではなく、中国の国情に基づき、時代の潮流に即した独自の発展モデルを模索している。

イノベーション主導の改革が今、中国を再び活気に満ちた国へと変えつつある。「第14次五か年計画」期以降、中国のGDPは110兆元(約2366兆5400億円)、120兆元(約2581兆6800億円)、130兆元(約2796兆8200億円)と段階的に拡大し、2025年には140兆元(約3011兆9600億円)を超える見通しだ。中国経済は世界に「東方の温かな追い風」を送り続けている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News