【10月25日 AFP】英ロンドンの中央刑事裁判所は24日、ウクライナ向け物資を保管していた倉庫への放火に関与した匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)のメンバー6人に拘禁刑を言い渡した。グループのリーダー格は、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」に雇われていた。

2024年3月にロンドン東部の工業団地で発生した火災に端を発するこの名高い事件は、ロシアとその代理人が欧州全土で展開しているとみられるスパイ活動と破壊工作への注意を喚起するものだ。

西側諸国は、ロシアの侵攻と戦うウクライナへの支援を弱めるため、ロシアが一連のスパイ活動・破壊工作を画策していると非難しており、英国の対テロ警察は相次いで実行犯らを逮捕している。

6人は犯行当時、19~22歳だった。その一部を担当する弁護人は、ロシアの工作員が「社会経験の乏しい」依頼人の金銭問題、薬物問題、精神衛生上の問題といった弱みに付け込んだと主張した。

6人は放火に加え、ロンドンで億万長者のロシアの反体制派を拉致も計画していたが、警察に阻止された。

ボビー・チーマグラブ判事は、6人にそれぞれ異なる刑期の拘禁刑を言い渡し、この事件は「外国勢力が、社会経験の乏しい人物の欲望と基本的本能につけ込む干渉行為」を浮き彫りにしていると指摘。

暗号化されたプラットフォーム上の「チャットルームで匿名で採用活動を代行する人物」が、ある意味過激化させやすく、簡単に稼げると思いこんで母国を裏切る素養のある若者たちを見つけ出したと述べた。