【10月8日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領(共和党)は7日、民主党のリチャード・ブルーメンソル上院議員(79、コネティカット州選出)が議会公聴会でパム・ボンディ司法長官と激しく衝突したことを受け、ブルーメンソル氏を非難するとともに軍歴を誇張したとして調査を求めた。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「『ダナン・ディック(「ダナン」はおそらくベトナム中部ダナンを指すものと思われる。ディックはリチャードの愛称の他、侮蔑語としても使われるスラング。)』こと偽善者のリチャード・ブルーメンソルは、おそらく米上院最大の『ジョーク』だろうが、またしてもやらかした!」と長文で投稿。

「『ディック』は政治家としてのキャリアの中間点までうそをつき続けた。フェイクニュース・メディアをはじめとする全員に対し、自身のことをベトナムのジャングルで死の淵に立たされた偉大な『戦争の英雄』だと信じ込ませていた」と続けた。

さらに、「この男は米国上院にいるべきではない。調査され、法による裁きを受けるべきだ」と訴えた。

ブルーメンソル氏は、トランプ氏の出身地であるニューヨーク州に隣接する北東部コネティカット州出身で、2011年から上院議員を務めている。ベトナム戦争中は5度の徴兵猶予を受けた後、1970年に海兵隊に入隊した。東南アジアでの従軍経験はない。

強力な権限を持つ上院司法委員会に所属するブルーメンソル氏は、ボンディ司法長官と激しい口論を繰り広げた。ボンディ氏も、ブルーメンソル氏が軍歴についてうそをついていると非難した。

トランプ氏は、ブルーメンソル氏を下院議員に初当選した直後から経歴詐称や、選挙資金の不正利用などが発覚し、詐欺罪などで拘禁刑を言い渡されたジョージ・サントス前下院議員と比較し、「サントスのうそは、ブルーメンソル氏のうそに比べれば何でもない」と述べた。

CBSニュースによると、ブルーメンソル氏は2010年上院議員選の選挙運動中に行った軍歴に関する発言について声明を発表し、「海兵隊予備役での勤務について、もっと明確かつ正確に説明すべきだった」と述べた。

トランプ氏は1月に大統領に復帰して以来、数十年にわたる米国政治の規範を無視して自身に逆らう人々に対する異例かつ露骨な報復キャンペーンを実施し、政敵や敵とみなした人々に対し、相次いで懲罰的措置を講じている。

第1次トランプ政権時の2017年、ブルーメンソル氏は、政府職員からの贈り物の受け取りを禁じる合衆国憲法の報酬条項に違反した疑いでトランプ氏を告発したが、最終的に公訴棄却となった。(c)AFP