【9月14日 AFP】イスラエル軍は13日、パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市での作戦強化以降、同市から25万人以上が避難したと発表した。しかし、パレスチナの民間防衛機関は、南部が過密状態で避難できたのは7万人未満と報告している。

アル・シファ病院のモハマド・アブ・サルミヤ院長は、ガザ市内では東部から西部への移動が続いているが、「南部へ到達できた人は少数」だと述べた。南部アルマワシ地区は完全に満員で、デイルアルバラも過密状態のため、多くの人が避難先での住居や基本的なサービスを確保できず、ガザ市に戻っているという。

民間防衛機関のマフムード・バッサル報道官はAFPに対し、「ガザから南への実際の避難者数は約6万8000人にすぎない」「多くの住民はとどまっており、他の多くの人々は南部でスペースを見つけることができない」と語った。

また避難した住民の一人は、南部でも空爆が続いていると話している。

AFPは、ガザでの取材制限と現地へのアクセスが困難なため、軍や民間防衛機関の発表内容を独自に検証できていない。

この日、イスラエル軍はガザ市内の高層ビル、ブルジュ・アル・ヌールを破壊したと発表。民間防衛機関によると、13日朝以降のイスラエルの攻撃で少なくとも25人が亡くなっている。

一方でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は同日、イスラム組織ハマスの指導者の排除が戦争終結につながると述べ、ハマスが停戦交渉を繰り返し妨害していると非難した。

ネタニヤフ氏はX(旧ツイッター)で「カタールに住むハマスのテロ指導者たちは、ガザの人々を気にしていない。彼らは戦争を終わらせないために、すべての停戦の試みを妨害してきた」とし、彼らを排除すれば、人質解放と戦争終結の最大の障害が取り除かれるだろう」と続けた。(c)AFP