■次回の日本大会への出場は?

サワンさんが運動を始めたのは90歳の時。73歳の娘シリパンさんに触発され、友人たちのように寝たきりになりたくないと考えたのがきっかけだった。週に3~4回、シリパンさんと一緒に、タイ東部ラヨーンの自宅近くにあるビーチを速歩きしている。

「歩く時もあれば、走る時もある」。AFPの取材に応じたサワンさんは、トレーニングの内容を説明した。

「やり投げの練習をすることもある。大会に合わせて、練習内容を変えている」

それ以外の時間は、地元の市場に出掛けることもあるという。

こうした生活スタイルが功を奏し、マスターズゲームズでは60を超えるメダルを獲得。今週、金メダルをさらに4個増やした。

砲丸投げでは、5投すべてで4メートルを超え、年下の選手たちから歓声と拍手を受けた。

同じく投てき競技で金メダル2個と銀メダル1個を獲得した娘のシリパンさんは、サワンさんが4個目の金メダルを授与された後、父と並んで表彰台に上がった。

「父が今でも競技を続け、そして強い姿を見せてくれるのをとても誇りに思う」とシリパンさんは語った。

「父は、どこに行っても尊敬の目で見られる」

次回のワールドマスターズゲームズは、2027年に日本で開催される。サワンさんは、自身が出場するかどうかは「健康次第」だと話した。

陸上競技を始める前は、自分の農場でドリアンやゴムの木を育てていた。今は、スポーツに専念している。

「運動をすると、人生が豊かになり、運動仲間とも出会える」とサワンさん。

「そうすると、生活に張りが生まれ、家で孤独を感じることはなくなる」と話した。(c)AFP