フランス、10代レイプ被害者の人権保護義務を不履行 欧州人権裁
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■「フランスへの警鐘」
長い法廷闘争の後、フランスの裁判所は昨年11月、消防士2人にそれぞれ禁錮4年、禁錮1年3月の執行猶予付き判決を言い渡した。
フランスは2021年、法改正で性交同意年齢を15歳に設定。15歳未満との性行為は、相手の同意の有無にかかわらず犯罪となった。
だが、ジュリーさんに対するレイプは法改正以前に行われたため、消防士らは旧法に基づいて裁かれた。
ジュリーさんは自殺未遂を繰り返し、現在は重度障害状態となっている。
ECHRは、ジュリーさんの事件をめぐり、フランスで「二次被害(セカンドレイプ)や差別的な処遇」が行われたことも批判。
フランス当局は少なくとも2回、ジュリーさんの尊厳を守る義務を怠り、「(ジュリーさんに対して)ジェンダー・ステレオタイプを助長するやり方で道徳を説き、罪悪感を抱かせる発言を容認した」としている。
ジュリーさんの弁護士、エマニュエル・ダウド氏はECHRの判断を「フランスへの警鐘」だと歓迎。「フランスの裁判所に対し、特に未成年の性的暴行や性的虐待の被害者には、このような態度を取ってはならないと指摘している」と述べた。
ダウド氏によると、ジュリーさんは当時未成年で、弱い立場にあったにもかかわらず、事情聴取中、「まるで容疑者であるかのように扱われ、なぜ物理的に抵抗しなかったのかと言われた」。
ジュリーさんの両親は、ECHRの判断は警察と司法当局によって与えられた「屈辱と苦痛を洗い流す」ものだと述べたとされる。
2人目の申立人は、14歳だった時に21歳と29歳の男2人にレイプされたと訴えた。警察の報告書には、申立人が当時、「明らかに酩酊(めいてい)状態」だったと記されている。
被告人2人は、ECURへの申し立て時点で無罪判決を受けた。
3人目の申立人は、16歳だった時に自宅で18歳の男にレイプされたと訴えたが、証拠不十分で告訴は取り下げられた。
ECHRは3件すべてにおいて、フランス国は「合意のない性行為を処罰できる刑法制度を実際に適用するという義務を履行していない」と判断した。(c)AFP