教皇の死を悼むガザのキリスト教徒たち 「希望の灯だった」
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【4月22日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区のキリスト教徒たちは21日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇の死を深く悼んだ。
ガザ紛争が始まって以降、フランシスコ教皇は現地の少数派であるキリスト教徒たちと定期的にビデオ通話を行っていた。通話は週に数回に及ぶこともあり、祈りと励まし、そして連帯の思いを伝え続けてきた。一方で、イスラエルによる攻撃の「残酷さ」については繰り返し非難していた。
ガザ市内のパレスチナ人キリスト教徒たちは、教皇への追悼の思いをAFPの取材に語った。
■ゼイトゥンのエリアス・サイエグさん(49)
サイエグさんは、フランシスコ教皇のビデオ通話に何度も参加していた。
「私はいつも、教皇の言葉を聞くのを心待ちにしていた。テレビやスクリーン越しにそのお姿を拝見し、教皇のメッセージと祈りは、私たちに希望を与えてくれた」
「教皇の祈りと祝福のおかげで、私たちは『生かされている』と感じることができた。戦争と流血が終わることへの希望を、教皇は日々新たにしてくれた。その祈りは、これからも私たちと共にある。パレスチナに、そしてこの地に、平和が訪れるように」
「聖誕教会や聖墳墓教会での祈りに、私も参加できたらよかった」
■サハバ地区のジョージ・アヤドさん(67)
「教皇が死去したことで、私たちは、愛と平和の光が消えてしまったように感じている」
「バチカンは遠く離れていても、教皇の声はいつも私たちの心に届いていた。平和と正義を求める呼びかけを、教皇は決してやめることがなかった」
「痛みと、窒息しそうな封鎖の中で生きる私たちにとって、教皇の言葉は希望の灯だった。教皇は祈りの中で、ガザを決して忘れなかった。そして今、私たちは教皇の魂のために祈っている」
■リマル地区のイブラヒム・タラジさん(37)
「これは、ガザとパレスチナのすべてのキリスト教徒にとって、そして世界中の平和を愛するすべての人々にとって、胸が張り裂けるような衝撃的な知らせだった」
「聖人である教皇の死に、私たちの心は打ちひしがれている。でも、教皇の祈りと祝福は、私たちの中で生き続けており、ガザに、そして世界に平和がもたらされることを願っている」
■ガザ市近郊のラメズ・スーリさん(42)
「ガザから――痛みと封鎖、そして戦争のただ中から――私たちはきょう、霊的な父であるバチカンの教皇に別れを告げる」
「教皇の祈りと祝福は、たしかに私たちに届いていた。そしてその声は、世界中に響いていた。『ガザを忘れるな。抑圧された人々を忘れるな』と」(c)AFP