淡水産動物の4分の1、絶滅の危機 研究
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【1月9日 AFP】魚や昆虫、甲殻類を含む淡水産動物の4分の1が汚染やダム、農業などの脅威により絶滅の危機にひんしているとする新研究が8日、査読済みの科学誌「ネイチャー」に発表された。
河川や帯水層、湖沼、湿地帯を含む淡水域は、地球上の表面積の1%未満にすぎないが、魚類の半分、脊椎動物の3分の1を含む既知の種の10%以上が生息している。
この多様性は、数十億人の生活を支え、気候変動に対する防壁にもなっているが、「相当なストレス」にさらされているという。
淡水産動物2万3000種以上を対象にした新たな評価では、調査対象グループ間でばらつきはあるものの、全体で24%が絶滅の危機にひんしていることが明らかになった。
絶滅の危機に瀕している種の割合は、エビやカニ、ザリガニなどの十脚類の節足動物で約30%、魚類で26%、カエルや爬虫(はちゅう)類を含む四足類の脊椎動物で23%、トンボ類で16%だった。
1500年以降、淡水産動物89種ほどが絶滅したと報告され、さらに178種が同じ運命をたどっているとみられている。
研究の著者らは、ほとんど分かっていない種も存在するため、こうした数字は過小評価である可能性が高いと指摘。
「種のさらなる減少や喪失を防ぐため、脅威への対応が急務だ」と警告している。