中国とパキスタンの農業技術協力、質の高い「一帯一路」共同建設を後押し
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【10月31日 Xinhua News】パキスタンの首都イスラマバードにあるクアイド・イ・アザム大学の中国・パキスタン小麦分子育種国際合同実験室でパキスタン側の責任者を務めるアワイス・ラシド助教授は以前、中国に留学した経験があり、長きにわたり小麦の分子育種技術の研究に取り組んでいる。
同実験室は中国農業科学院作物科学研究所やクアイド・イ・アザム大学、パキスタン国家農業研究センター、国際トウモロコシ小麦改良センターが共同で設立し、今年3月にオンラインと会場を組み合わせた形でキックオフミーティングが開かれた。
「一帯一路(Belt and Road)」共同建設の重要な「先行先試」(先に試み、先に行う)プロジェクトである中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は質の高い発展を絶えず推進しており、その中でも農業分野の協力は重要な部分を占めている。
ラシド氏は、中国が分子育種分野で多くの経験を蓄積して小麦の育種水準を効果的に向上させたとし、実験室設立の目的の一つが中国の経験に学び、新しい技術をパキスタンに導入することだと述べた。また、「黄さび病はパキスタンの小麦生産量に影響する要素の一つで、われわれが育種で使用する中国の小麦品種は黄さび病に対する優れた耐病性を持っている。その関係する遺伝子をパキスタンの小麦品種に移転してテストを行ったところ、非常に良い結果が得られた」と語った。
さらに「大量のテストや農地での試験を行った上で、パキスタン北部地域での栽培に非常に適した小麦2種類を決定した。これまでの結果では、単位面積当たり収量がパキスタンの小麦品種より8〜10%多いことが示された」と紹介した。
研究チームは現在、新しい小麦品種のテストとパキスタンでの査定作業を着々と進めている。パキスタン国家農業研究センターのザヒド・マフムード上級研究員によると、新しい小麦品種の査定プロセスは長く、パキスタンでは通常12〜15年かかるが、同センターがスピード育種施設を開設したことで8〜10年に短縮されるという。
マフムード氏は「『一帯一路』共同建設構想と中国・パキスタン経済回廊の恩恵によって、パキスタンのインフラレベルは大きく向上した。われわれは、中国の農業専門家の支援と協力を得て、良質で生産量が多く、気候への適応性が高い小麦品種を育て、食糧安全保障問題により適切に対処していく」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News