【9月6日 CGTN Japanese】中国北部に位置する内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)のフフホト市(Hohhot)は2日、雷雨に見舞われ、せきやぜんそくの症状を訴える人が急増し、病院の呼吸科や救急外来が大混雑しました。これについて、同市の衛生健康委員会は、雨後に花粉濃度が急上昇したことによる「雷雨ぜんそく」と関係があると説明しました。

 内モンゴル医科大学付属医院救急科副主任医師の宋威氏によりますと、雷雨後に花粉濃度が急上昇したことによって引き起こされた集団発病です。今回のぜんそくには、大部分の患者にアレルギー性鼻炎の病歴があり、しかも初めて発病した患者が多いという特徴があるとのことです。

 同医院小児科副主任の王継春氏によりますと、「雷雨ぜんそく」は気管支ぜんそくの特殊な類型で、雷雨中やその後に出現する気管支ぜんそくの急性発作や重症化を指します。局地的なぜんそくの大規模爆発と表現できます。症状は軽度から重度までさまざまで、重症の場合は命に関わる可能性があります。ほとんどの「雷雨ぜんそく」は花粉シーズンに発生します。

「雷雨ぜんそく」に関する最初の報道は1983年の英バーミンガムのもので、最悪の「雷雨ぜんそく」は2016年に豪メルボルンで発生し、8500人余りが急診または入院し、8人が死亡しました。雷雨はぜんそくと慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の急性発作を招くだけでなく、普通の人の過呼吸やぜんそくを招くこともあります。

 雷雨が来る前の寒気流が花粉やカビの粒を雲に持ち込むと考えられています。雲の中の水分と雷は花粉の粒子を破裂させ、より小さい微粒子を放出します。地面に戻ってきた花粉の微粒子は、粒子が小さいため気道に入りやすく、さらに雷雨によって生じる強い電界は、花粉から放出されるアレルゲンのアレルゲン性を高め、より大きな被害をもたらす可能性があります。(c)CGTN Japanese/AFPBB News