【9月4日 CGTN Japanese】秦公1号大墓の副葬車馬坑で8月31日、中国国家文物局の審査と認可を経た上で、2023年度の発掘調査作業が始まりました。秦公1号大墓車馬坑の発掘調査は4回目で、対象面積は500平方メートルを予定しています。

 秦公1号大墓は中国北西部の陝西省(Shaanxi)宝鶏市(Baoji)鳳翔県(Fengxiang)にあり、1977年に発見されました。墓から出土した文化財に基づき、墓所の主は秦景公(紀元前577~同537)である可能性があるとされています。景公は秦の第14代の支配者で、秦の始皇帝の嬴政(えいせい)の18代前の先祖に当たります。この墓は秦公陵園において最も早く発見され、しかも発掘調査が行われた唯一の墓で、面積も最大であることから、「秦公1号大墓」と命名されました。

 副葬車馬坑は殷・周時代(紀元前17世紀ごろ~同256年)から秦・漢の時代(紀元前221年~紀元220年)に流行した墓の形式で、多くは主たる墓の近くに設けられました。坑内には墓の格式に応じて副葬用の馬車と馬を置くことで、被葬者の身分と階級を示しています。秦公1号大墓の車馬坑は全長87.6メートル、幅20メートル、深さ14.5メートルです。初歩的な発掘調査が行われたのは2003年で、2019年と2021年の発掘では面積2000平方メートル、深さ2.5~4.5メートルが対象になりました。盗掘穴が290カ所余りも見つかりましたが、金、銅、玉、骨質の器物、および大量の動物の骨、少量の人骨、漆皮が出土しました。これまでに出土した各種器物は300点余りで、うち20点余りに上る金製品には虎像、縄の留め具、葉、車輿飾(馬車などに使う飾り物)、鳥像、管状絡飾(編み物のような形をした飾り物)などが含まれています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News