【8月30日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2023)は29日、女子シングルス1回戦が行われ、ウクライナ生まれのマリーナ・ザネフスカ(Maryna Zanevska、ベルギー)がベラルーシ出身のアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)に3-6、2-6で敗れた試合後の握手を拒否した。

 30歳のザネフスカは、けがを理由に今大会限りでの引退を表明しており、これが現役ラストマッチだったが、自身が生まれたウクライナに連帯を示し、サバレンカとの握手を拒んだ。

 昨年にロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、何人かのウクライナ選手は、ロシアや同盟国ベラルーシ出身の対戦相手との試合後の握手を拒否している。

 ツアーにはベルギー国籍として参戦しているが、家族は全員ウクライナにいるというザネフスカは、サバレンカが侵攻が始まってから積極的な行動を取らなかったため、握手を拒否することにしたと説明した。

 今年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)を制したサバレンカについては「テニス選手として尊敬している」としつつ、「彼女は自分の家族を守っているが、私も自分の家族を守る」と述べ、「家族はずっと前線で戦っている。私が彼女と握手をしたら、家族の顔に唾を吐くのも同然だと思う」とも語った。

 コートを後にする際には、握手を拒否したことに対してブーイングも聞こえたが、「心構えはできていた」と明かし、「自分が正しいと信じることをして、顔を上げてテニス界を去る」と話した。

 勝利した第2シードのサバレンカは、2回戦でジョディー・バリッジ(Jodie Burrage、英国)と顔を合わせる。

 その他の試合では、悲願の四大大会(グランドスラム)初優勝を目指す第5シードのオンス・ジャバー(Ons Jabeur、チュニジア)や第3シードのジェシカ・ペグラ(Jessica Pegula、米国)、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2023)決勝でジャバーを破った第9シードのマルケタ・ボンドロウソバ(Marketa Vondrousova、チェコ)らが順当に2回戦に進出した。

 一方、昨年のベスト4で第7シードのキャロリン・ガルシア(Caroline Garcia、フランス)は4-6、1-6で予選勝者の王雅繁(Wang Yafan、中国)に敗れ、初戦で姿を消した。(c)AFP