【9月2日 CGTN Japanese】中国のSNS上でこのほど、「中国科学院博士の張氏が騙されてミャンマーに行かされ、1年間毎日18時間労働を強要された」とする報道が注目されました。

 在タイ中国大使館は26日に発表した声明で、「関連報道に留意し、タイの法執行機関を通じて速やかに状況を確認し、全力で救出に取り組んだ。タイ警察は24日夜に張氏を発見した。在タイ中国大使館は、タイ警察と連絡を密に取り合って張氏が速やかに帰国できるよう手配しているところだ」と明らかにしました。

 張氏は、中国科学院地球環境研究所を修了し、ポストドクターの研究に従事していました。昨年、仲介会社を通じてシンガポールに行き、翻訳に従事することになっていましたが、騙されてミャンマーのミャワディに行かされました。ミャワディはミャンマー南東部にあり、タイと国境を接し、地方武装勢力が支配するサイバー詐欺の本拠地と言われる所です。ミャワディの一部のサイバー詐欺会社は、電気棒で電気ショックを与える、プラスチック棒でたたく、真っ暗な部屋に閉じ込めるなどの暴力で騙されてきた人をサイバー詐欺に従事させています。良い成果を挙げない人を残酷に殴り、金を稼げない人に対しては家族を探し出して身代金を要求することもあるということです。

 張氏は英語を流ちょうに話すことができるため、英語圏の人を狙った詐欺を担当させられました。毎日監視され、建物の入り口には銃を手にした見張り役がいました。張氏は、ミャンマーの会社の要求に応じて身代金12万元(約241万円)を振り込むよう中国にいる家族に電話をして助けを求めたこともあります。しかし、家族が要求通りに振り込みをしようとしたところ、口座が凍結されていて振り込みができませんでした。そのため張氏は殴られ、監禁されました。

 報道によりますと、張氏は、中国の警察や在ミャンマー中国大使館など多方面の働き掛けにより救出され、すでにミャンマーを離れてタイに送られ、近日中に帰国できる見通しです。具体的な救出過程について帰国後に発表されるということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News