米加州で車中生活者が増加 住宅価格高騰など背景に
このニュースをシェア
■選択肢がない
スティーブンとだけ名乗った別の男性も、ジェファーソン大通りで2年前から車中生活を続けている。スーパーマーケットで働いており、妻と一緒だ。
夫婦で暮らすために小さなバンを6000ドル(約88万円)で購入した。2人の収入では、まともな地区に部屋を借りることができなかったのだ。
ロサンゼルスの一般的な中間層が暮らす地区では、1か月当たりの家賃は2000~3000ドル(約29万~44万円)だ。その他にも必要経費がかかる。スティーブンさんは、仕事を二つではなく三つ掛け持ちする必要があると話す。
「インフレが進む中、生活していくにはそれが唯一の方法だ。仕事も賃金も上向かないからだ」
ホームレス問題はロサンゼルスをはじめ、全米各都市で深刻化している。インフレ高進に伴い、人々は住宅やその他の生活必需品にかかるコストに苦しんでいる。2022年には米消費者物価指数の上昇率は6.5%に達した。
世界のエンターテインメント産業の中心地であるハリウッド(Hollywood)。その中でもハリウッドヒルズ(Hollywood hills)には瀟洒(しょうしゃ)な邸宅が点在する。一方、ウオークオブフェーム(Walk of Fame)などの街区では、ホームレスの人々が寝泊まりしている。その落差はあまりに大きい。(c)Paula RAMON