米加州で車中生活者が増加 住宅価格高騰など背景に
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■駐車禁止
ベニスビーチ近くの「バロナ湿地生態保護区(Ballona Wetlands Ecological Reserve)」を通るジェファーソン大通り(Jefferson Boulevard)には、車が列をなして止めてある。ビアードさんのキャンピングカーもそのうちの1台だ。
駐車禁止の標識はいくつもあるが、車両の多くは長い間止められたままで、周囲にはインスタレーション作品や小さな菜園、テーブル、椅子、調理用コンロなどが置かれている。
ここの「住民」の出身地は米国、欧州、中南米とさまざまで、中には犬を飼っている人もいる。一定のルールも設けられ、既に共同体然としている。
以前はベニスの賃貸アパートに住んでいたというメーキャップアーティストのタマラ・エルナンデスさんも、今はここの住人だ。450ドル(約6万6000円)だった家賃が10年間で3000ドル(約44万円)にまで跳ね上がったのをきっかけに、今の生活を始めた。
実際の生活はきびしい。例を挙げると、入浴する際にお湯を準備するだけでも1時間はかかる、といった具合だ。
それに、周囲から容赦なく向けられる見下すような視線には、大きなストレスを感じるという。
「なぜ嫌われるのか分からない。私たちは悪い人間じゃないのに、ばかげている」