【3月29日 AFP】ロシアで、同国軍の「信用をおとしめた」として娘から引き離され、起訴された男性が、判決言い渡し前に自宅軟禁から逃れ、行方不明となった。当局が明らかにした。裁判所は28日、被告人不在のまま懲役2年の刑を言い渡した。

 シングルファーザーのアレクセイ・モスカリョフ(Alexei Moskalyov)被告(54)は昨年、娘のマリア(Maria Moskalyova)さん(13)が学校で描いた絵をきっかけに、当局の目に留まった。マリアさんの絵には、ロシア国旗の上を飛ぶミサイルが、ウクライナ国旗の横に立つ女性と子どもに向かう場面が描かれていた。

 当局は今月上旬、マリアさんを未成年者向けの更生施設に入れ、被告を自宅軟禁下に置いた。被告はロシアによるウクライナ侵攻を批判した疑いで捜査対象となった後、ソーシャルメディア上の投稿をめぐり起訴された。

 だが首都モスクワの南にあるエフレモフ(Yefremov)の裁判所関係者がAFPに語ったところによると、被告は失踪し、判決の言い渡しにも出廷しなかった。

 弁護人はAFPに対し、被告が行方不明になったことに「ショック」を受けていると説明。娘のマリアさんは「1か月以内」に孤児院に送られる可能性があると語った。(c)AFP